観たよ。ついに。東宝映画『マタンゴ』。いやー、長かったね。90分ないんだけど、2時間以上に思えた。これってつまら なかったって事。とにかく、チー プな被り物のクリーチャーが数体出て来て、人間を襲うんだけど、まあチープな事。噂では”凄い映画”、”恐怖映画の最高傑作”っていうんだけど、ちょっと 待てよって言いたい。最初のシーンはある青年が精神病院の一室で、「俺のことキチガイと思ってるんだろ?」って始まる。久々に聴いた言葉。”キチガイ” (笑)。で、このシーンを見た瞬間、”あ、一人は助かって戻るんだな”って思った。実際、エンディングはそうなんだけど。とにかく変なのは登場人物7人。 みんな職業が違う。青年実業家、売れない小説家、女子大生、研究者、ホ
ステスと、なんでこんな人種が多種多様なの?って言いたくなる。皆、背景が違うか ら、面白い展開になるんだろうとは思ったけど、全員学生でいいじゃんかよって思った。90分のうち80分は人間だけのシーン。最後の10分くらいで大量の マタンゴが出るんだけど、コスチューム、特に頭の部分が超デカイんで、マタンゴ役の役者はほとんど動けない。つっ立ってるだけ。何が気色悪いのかよく分ら ん。監督のSteven Soderberghが子供のとき観て、「二十歳になるまでキノコが食えなかった」って言うのを読んだ。俺は逆に無性に食いたくなったね。ちょっとリメイ クはどうかと思うけど、熟考する価値はある。過去のいい作品をリメイクするのは御法度。でも駄作をリメイクするのは全然OKだと思う。勿論、『マタンゴ』 は
後者。アメリカでのリメイクの価値はあると思う。駄作だけに。キャスティングはオリジナル同様、全員若者。新進の無名の役者で構成。監督はやっぱ若手 ミュージックビデオの映像作家がいいんじゃない?もっとSpookyな作りで、今風の音楽をガンガンかける。予算はそうだな...500万㌦くらいが妥当 だと。例えばだ。茸を食うことによって人間の肌質が変化する。画の見せ方としては、その変貌振りを思いっきり気色悪くする。残念なのはオリジナルにはそん なのなかった。リメイクでは白人の肌が緑色とか、明らかに人間の肌色じゃないものにする。頭部も肥大化、四肢も変形、声帯も人間のモノじゃなくなる。東宝 のは、そういった気色悪さが詳細に描かれていない。ディテールが甘い。気色悪さ=ホラーの方程式をリメイクで確立させたいね。東宝版では血は出てこない。 これは素晴らしい。つまり血を見せなくても、十二分にホラーになりうる事を東宝は証明した訳だ。これはハリウッドホラーとは一線を画す。うーん。これは観 てみたい。
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