「映画投資に関する一考」と云うエッセイを読む。なかなか面白いので勝手に翻訳。
11月に行われた映画の見本市AFMであった会話のほとんどは「配給」の事、そして「映画投資」のことだと思う。なぜか?自分の映画を作るカネが100%自分の口座にない限り、企画を発進させるにはどうすればいいのかと云う事だ。今いる時代を考えると、カネの出どこは1ヶ所ではなく、複数からかき集めるケースが今や普通となってる。勿論、ファンドや個人投資もありだが、他にもある。
一例を挙げると、今日の映画製作者達はファンド、個人からの寄付、税制優遇措置、プリセールス、そしてネットでの製作費募集等を利用し、映画の企画を動かしてる。ただこれだけは云っておかなければならない。自分を危険に曝すやり方は止せと。では一体、この映画製作資金探しの長旅の何処から、何から始めるべきなのか?まずファンドや個人投資は忘れるべきだ。金策パズルの中で、いつの時代もこれほど大変なピースは他にないからだ。では、もっと他のやり方をみてみよう。
•税制優遇措置:聞いた事あるかも知れんが、ロケハンとかフィルム・コミッションに積極的でない無責任なプロデューサーは、恐らくこの恩恵に授かる事はないだろう。アメリカは当然、海外の国でも、自国撮影の場合、結構な金額が税金免除になるプログラムがある。各フィルム・コミッションから当たるのもアリだ。アメリカのコミッションは説明、手続き等は恐ろしく簡単だ。この後、プロデューサーはこれを念頭に予算を組み直す。勿論、一ヶ所だけじゃなく、他のロケ先も考慮して。(残念だが、日本にはフィルムコミッションは全国に乱立しているが、税金免除のプログラムを持っている自治体は一ヶ所もない。「名ばかりFC」と海外映画人に揶揄される理由はここにある。)
•製作会社と手を組む:これは一番最初に頭に浮かぶアイデアとしてはどうかと思う。過去に実績のない、或はこれが2本目で、さっさと次の製作に入りたい、と云うプロデューサー、監督は実績のある製作会社と提携すると云う手もある。メリットも多い。
•プリセール:業界ではプリセール(版権の前売り)は死んでると云われてるが、本当じゃない。キチンとしたカネになる企画にはプリセールは脈々と生きている。もう一回云う。「キチンとしたカネになる企画」にだけだ。どういう意味か?優れたコンセプト、経験のある監督、凄いキャストのくっついた企画には、誰でも前払いで権利を買いたくなると云う事だ。これを聞いて、ガックリ来る輩もいるだろうが、よく読んで欲しい。もし新人監督でも、コンセプトのしっかりした企画とキャストがあるなら、可能性はゼロではない筈。新人プロデューサーであっても、有名監督と組めば同じ事が云える。時間と時にはカネもかかるが、企画をキチンとパッケージすれば、可能性も上昇すると云うモノだ。
•クラウド・ファンディング:この存在が、業界に認識されてから暫く経つが、ある監督は何年も自分の企画の予算集めにこれを使っている。企画内容は環境問題をテーマにしたドキュメンタリーなのだが、これがもし通常の劇場用映画だったらどうか?クラウドファンディングでも成功する可能性はあるが、募金中に自分の映画の限界が見えてしまうと云う事だ。つまり集まった人数、金額が映画公開時の興収規模と似通うと。数百万円集めたインディーズ映画が、一般興行で数十億円稼ぐとは到底思えないからだ。簡単ではないが、ソーシャルネットワークを通じて、自分の映画企画がどれだけ、赤の他人を巻き込む事が出来るかに要注目しなければならない。
Production diary for my movies since May 25th, 2004...and Mac, Movies and MLB. 2004-2015 © Vermilion Editions, LLC.
Monday, November 26, 2012
Film Finance Overwhelm
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