Thursday, November 15, 2012

Kickstarter for Filmmakers

クラウドファンディングと映画製作

質問:クラウドファンディングは正しい資金調達法なんでしょうか?
回答:ネットでの資金調達は余りにも安直なやり方ではありますが、起業時にこれを考慮してない人が多い事に驚かされます。安直と云いましたが、調達はネットであろうとなかろうと簡単ではありません。ネット募金をやるべきかどうかは、よく確認する必要があります。

質問:他人の映画に募金しても面白くないのでは?

回答:難しい質問ですね。客の来そうにない企画に募金するのは普通は避けますよね。多くの監督は自分の為だけに製作する事に、後ろめたさを感じているのも事実です。自分のカネで作るのなら、勿論、そんな気は起こりませんが、他人のカネとなると、無責任にはなれません。例えば、趣向の変わった企画(CG映画、TVとかでは到底放送しない尖った内容)や、有名なキャストやクルーを入れて、企画の価値を上げる、或は売りとなるエレメント、その数は多ければ多いほどいいです。つまり、周りの人間だけでなく、不特定多数の人間にもアピール出来る企画にするのです。FacebookやTwitterに書き込みたくなる映画企画を。ネットでの募金期間が長ければ長いほど、認知度も正比例します。90年代に立ち戻ると、アメリカではインディーズ映画のブームが巻き起こりました。今よりもその参加人数は少なく、よって注目度も高くなるわけですが、時が経つにつれ、機材はデジタル化し、インディーズ映画を作る人間は瞬く間に急増、それにつれ、本数も急増しましたが、余りにも多過ぎて、各作品が市場に埋もれてしまい、目立たなくなってしまった。これはクラウドファンディングにも云える事で、グラフにもある様に、ネット募金での成功例は、年々激減していて、目標金額が多いほど、達成度は低くなっている。

質問:目標金額に到達させる為には、やっぱネットワークとか必要でしょうか?

回答:FacebookやTwitterに”友人”が数千人いても、このクラウド・ファンディング戦争に勝てる保証はどこにもないです。数千人の内、何%と面識がありますか?或は交流がありますか?その内、何人が実際、あなたの映画の為に財布を開いてくれるのか?キックスターターによると、成功率は46%。半分も成功してないと云う事です。始める前に綿密な計画が必要なのです。

質問:私の目標金額は大丈夫でしょうか?

回答:察するに、あなたの企画は不特定多数をターゲットにし、クラウド・ファンディングで募って大丈夫と思っているが、最後の目標金額の設定に迷いがあるのでしょうね。目標額が高ければ高いほど、到達は困難です。2011年、キックスターターでは1084本の短編映画が募金に成功しました。総額4,802,336㌦、約3億8000万円です。この内訳も面白いです。製作予算$1,000(8万円)〜$2,999(24万円)の作品数が371本で全体の34%。映画を作った事のない人には入門サイズと云えます。これをグループAとします。次にグループBの$3,000(24万円)〜$4,999(40万円)は200本(18%)。これらAとBの間には成功例が46%のギャップがあります。これがクラウドファンディングで募金を募る、或る意味、分岐点と云えます。たった10万円強の違いで、ここまで成功率が違うとは。目標額が低ければ低いほど、成功率、到達速度も速くなるわけです。更にグループBから、 グループCの$5,000(40万円)〜$6,999(56万円)になると、成功率は27%と大した事はないですが、これがグループDの$7,000(56万円)〜$9,999(80万円)になると、43%も落ちてしまいます。これから先、額が増えると成功率は激減します。30,000㌦(240万円)の成功例は全1084作品の内、5本だけです。2011年の最大の成功例は、目標45000㌦(360万円)を目標にし、82000㌦(650万円)も集まった作品でした。

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