Friday, June 04, 2004

A Troubled Cinematographer


今日は昼からTokyo Big Sightに行く。『映画テレビ機材展2004』があったから。まあしかし相変わらずショボイね。最初に行ったのが確か1999年。もうちょっと活気が あったような気がしたんだけど、出展数も数十社で、前に比べて縮小したような気がした。とにかく活気がない。まさに今の日本そのもの。前にLos AngelesであったShowbiz Expoなんか凄かったもんね。聞く所によると今は年複数回やってるらしい。日米の格段の差が更に一層広がってる感じ。で適当に見て回って、3:30PM 開催の『撮影者 木村大作氏吠える!』を観覧。この男、以前、笑福亭何とかの深夜番組に出て、「俺は60過ぎた今でも、都内の新宿の3万円アパートに住んでる」とか豪語し てた業界でも曰く付きの映画カメラマン。そんな事言ったら今の若い奴ら誰も映画界に行かなくなるぜ。まあ言わなくても同じか。で、このオッさんには前か ら、いろんな意味で注目はしてた。とにかく日本の監督は誰もこの男と組みたがらない。理由は簡単。カメラマンのブンザイで現場を仕切っちゃう。本人曰く押 しが強く、滅多に折れない。「俺は楽しく仕事がしたいんだ!」。何よりも監督より声がでかい。部外者が現場を見たら、恐らく誰でもこの男が監督だと思うに 違いない。で、そんなキャラなもんで、仕事も2年に1本。生活はカツカツらしい。「毎日起きて、何すりゃいいのかわかんないんだよ。これって怖いね」。そ りゃそうでしょうよ。敵もかなりいる。実名を挙げて徹底的に叩く。で、肝心の俺。この男に不信感を持っていた俺は、今回のトークショーを聴いて更に不信感 が強まったかどうかというと、まず、このオッさんにも一理あるなという節があるにはあった。「映画は技術じゃねんだよ。エイゼンシュタインなんか勉強し たって使えねえよ!俺にも全くわかんねえ!」と来てた学生たちに喝!特に印象深かったのは”監督とのやりとり”「普通のカメラマンは雇われたら、監督の注 文に応える事に精一杯。でも俺は脚本読んだらこう撮りたいと、監督に直訴する。最終的に決めるのは監督。でも意見は言わせてもらう」と声高々に言う。しか しだ。アメリカの現場しか知らない俺に言わせると、そんな当たり前の事を何で偉そうに言うわけ?意見を言うのは当たり前。それが英語で言う撮影前の” Brainstorming”って言うんじゃありませんこと?ハリウッドなら誰でもやってる事。で、話を聞いて分ったのが、木村カメラマンを通して、邦画 界の暗部・恥部が間接的に読み取れる。ここではバカバカしくて書く気にもなれないけど、またいつかだな。結論は角川春樹と同じで、このカメラマンも間違っ た国に生まれてしまったって事。

今日は忙しかったね。この後出版社に出向いて軽く打合わせ。で、どうやら来月また渡米って事になりそう。やべ!ヴァーチャル展の原稿書かなきゃ。あ!脚本も!貧乏暇なしです。

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