Thursday, July 15, 2004

JFK Still Alive


深夜、DVDでOliver Stone監督のコレクターズ版『JFK』を観る。10年振りに観るけど、91年に観た劇場版と比べ、全く遜色ない。当時のままのモメンタムがDVDでも生かされてる。3時間以上の大作にも関わらず、あっという間に終わった。いい映画の典型的な例だな。時間を感じさせない力作。何がいいって、モノクロとカラーを一緒くたにしたドキュメンタリー風の編集。ドキドキする展開を見事にこの映画の編集マンが演出してしまった。ボーナス映像もかなり収録されていて、History Channelだかのドキュメントや監督コメンタリー、削除シーンもいくつか入ってる。削除シーンの中で、Kevin Costnerの机の上にナチのヘルメットが飾ってあったのには笑った。「過去の不幸を常に忘れないため」とStone。そりゃ削除して当然。理解されるわけない。知合いの横山智佐子のシシリア人ボス、Pietro Scaliaが20代の頃に編集し、これでオスカーを受賞した。(後に、『Black Hawk Down』でも受賞)映像マテリアルも8mm、16mm、35mm、ビデオと、これらを全部、効果的に本編に取り込んでいる。当時はノンリニア編集じゃないから、大変だったと思う。全部、ムヴィオラとかステインベックでの手作業での編集だったに違いない。凄い。本当に凄い。秋に製作開始する俺のドキュメンタリー『I Am Curious Gaijin』にも多大な影響と言うか、参考になる事は間違いない。撮影開始前に何度か再見しておく必要がある。先頃、全米公開された『華氏911』もそうだけど、こういう風に映像で告発しちゃうところが、アメリカ合衆国の凄いところ。日本じゃ誰もやらない。この2本の共通点は、政府の野望とエゴが見え隠れしている。これは未来永劫続くのか?考えただけでも怖い。しかし『JFK』の撮影フッテージも膨大な量だったに違いない。日本でも『ゆきゆきて神軍』や『謀殺・下山事件』って告発ドキュメントがあったけど、これもDVDで観たくなってきた。因みに先週が「下山事件」発生の何十周年だったらしい。

この間、邦画『電送人間』をケーブルテレビで観た。欧米でのタイトルは”Telegian”。下らねえと言うか、主演の鶴田浩二のくっさい演技、撮影のちゃちな事。公開が1960年と言う事は40年以上前の映画。前から観たい観たいと思っていたから、余計期待感は強まっていた。で、あれじゃあね。観たいと思っていた理由は、もしかしたらリメイク案件として、可能性があるかと思ったんだな。あれじゃ不可能だよ。全く同じ作りじゃ無理だから、今風に作り直すって感じだけど、観賞後は虚脱感でグッタリ。正直、時間の無駄だった。一個だけいいのは、電送シーン。40年前であの特殊効果は凄い。あそこだけで予算の8割を使ったんじゃなかろかと思わせる出来。来週は『透明人間と蠅男』がオンエア。期待しないで取り敢えず観ることにする。

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