ここ数年、頭角を現してる新興映画配給会社がある。Howard CohenとEric d'Arbeloffが設立した Roadside Attractions社だ。先月、トロント国際映画祭で、同社とLionsgateはRobert Redfordのリンカーン暗殺ドラマ"The Conspirator"の北米配給権を共同購入。Roadsideは劇場公開権を、Roadsideの株の一部を持っているLionsgateは配給の為の支援金を提供する。この他、同時期に2本のタイトルを取得。"Babel"のAlejandro Gonzalez Inarritu監督、Javier Bardem主演の最新作 "Biutiful"とJim CarreyとEwan McGregor主演のゲイ・コメディ"I Love You Phillip Morris"を共同購入した。Roadsideはこの2本で年明けのオスカーを狙う構えだ。2003年創業。堅実な経営で不況の波を何度も乗り切った。Cohenとd'Arbeloffの両氏はこれ以前に会社経営の経験はなかったが、二人の経営スタイルを気に入った、同じ振興配給会社のLionsgate社は2007年、株の一部を引き受ける事に同意した。これにより大きな映画の購入が簡単になった。配給コストを支援してくれる投資家達とも提携。これまでの投資形態を模倣する契約内容ではないと関係者は云っている。投資家から資金を提供され、それを配給会社が運用して行くと云う主旨のモノではなく、"Biutiful"や"Phillip Morris"で、各タイトルの配給で両者がリスクを取ると云う契約内容にした。RoadsideはプロデューサーのMickey Liddell氏と両作品での配給契約をそのようにした。当たれば、会社だけでなく氏にも配当金が入り、外れれば両者が損をする。"Conspirator"のプロデューサーJoe Ricketts氏はオンライン株販売会社Ameritradeの創業者で、メジャーリーグのChicago Cubsのオーナーでもあり、本作の公開の為に資金を投資した。Ricketts氏は自ら映画製作会社American Film Co.社を設立。ライバル他社は、宣伝し難い作品を買い付ける事は年々、遠ざかっており、それを打破する為にもこの投資内容は魅力的だと関係者は云う。「会社の経営状態がいいのは、金銭的な事に細部に渡ってチェックを入れてるのが一つある。時代の流れを無視しない様に、そして映画を選ぶ時もよく吟味してる」と、元United Talent Agencyのインディー映画部門のエージェントの履歴を持つパートナーのCohen氏は云う。それが理由か、配給他社の経営者と比較し、脚本家、監督、プロデューサーの知合いが非常に多い。Roadsideの配給本数はIFC、Sony Classics、Magnolia社と比べ少ないが、このスタイルはこれからも続ける様で、これが同社が巧く行ってる理由でもある。ここ12ヶ月で同社のヒット作は今年のオスカードキュメンタリー"The Cove"だ。今年は"Winter's Bone"が予想外の600万㌦のヒット。勿論、オスカー候補に強烈にプッシュするつもりだ。「この短い期間で、ここまで成長出来るとは思わなかった。しかもインディーズ映画だけで。特化せず、多種多様な作品をリリースしたい」とCohen氏は云う.....。

No comments:
Post a Comment