個人的に世界トップ5人の映画監督と俺は思ってるTodd Solondz。日本ではキチンと彼の作品は公開されてるのかどうか全く不明なんだが、毎回、ワクワクさせられる。1995年の"Welcome to the Dollhouse"で鮮烈デビュー、1998年の"Happiness"等、15年のキャリアで5本しか監督してない。新作はダークコメディ"Life During Wartime"で、Ally Sheedy、Allison Janney、Paul Reubens(a.k.a. ピーウィー・ハーマン)等が出演。この監督のキャスティングはインディーズ映画の中でも、相当毛色が変わってる。質問: 今回の新作"Life During Wartime"は元々、"Happiness"の続編として製作されたんですか?
T.S.: "Happiness"が終わった後、この映画の出演者達のこれからに特別、興味があったわけじゃない。そんな事を考える想像力もなかったし。しかし出演者達の年齢を上げる事で、面白くはなるんじゃないかと。
質問: 「おわらない物語 アビバの場合」でも似た手法をやってませんでしたか?
T.S.: 違うと思うね。コンセプトからして全然違う。あの映画では出演者全員が一人のキャラを演じてる。あの映画だけの突拍子もない発想だ。自分の過去作品はどうでもいい。今回の"Life During Wartime"は一本の独立した映画だ。過去作品と比較する理由は何もない。
質問: キャスティングについて教えて下さい。癖のある役者を好んでキャストするんですか?
T.S.: 役者ってのは一人、一人違う。Paul ReubensやJon Lovitzは大好きな役者で、現場にいて楽しい。でもPaulの場合、観客が気づいてる過去の失態がある。(90年代初頭、ポルノ劇場でのオナニーを発見され逮捕、その10年後には幼児ポルの所持で再逮捕歴がある)そう云う悲哀さが演技に加わっていいんじゃないかと思った。まず何よりも彼が役者としてどれだけ出来るのか、誰も知らないんじゃないか。
質問: "Happiness"よりも今回の"Life During Wartime"は暗さがない分、楽しい映画ですよね。
T.S.: この映画はこの映画で、1本の独立したもので、"Happiness"を繰り返した訳じゃない。比較するとすれば、コメディだが毒が比較的少なく、陰気な暗さとでも云うか。マイルドになったと云う人もいる。より政治的な映画とも云える。9.11以降、この映画での暮らしの様な事はなくなってしまった。あの当時、人々は「何をしたらいい?どうすればいい?」とアチコチで云ってた普通じゃない頃だった。
質問: 当初この映画は"Forgiveness"(「許し」)と云うタイトルでしたね?
T.S.: いや、最初から"Life During Wartime"だったが、ある時1週間だけ、「この企画は流れるだろう」って思ってた時、そのタイトルを使ったのは確かだ。何故なら、製作開始前に題名を公表したくなかった。
質問: 音楽については?作詞する時、音楽は聴きながらですか?
T.S.: いや、作詞中は何も聴かない。音楽を聴くのは大好きだし、才能があれば、ミュージシャンになってただろうね。しかしそんな才能はない。
質問: キャストはどう集めたのですか?最初に契約した役者は?
T.S.: う〜ん、覚えてないな。キャスト集めは大変な作業で、誰が最初だったか全く覚えてない。
質問: Paul Ruebensが何シーンかで幽霊を演じています。発想はどこから?
T.S.: 幽霊は全く信じてないけど、心理的なモノとして具現化させたのが幽霊だった。
質問: 過去の作品を再度鑑賞する事はありますか?
T.S.: ない。何度も見返す映画監督がいるのは知ってるが、自分ではないね。編集室で自分の映画を何千回も観てるのに?それは罰だね。時々自分で観るとか、観客と観るので十分じゃないか。頭の中は次の事だけだよ。
質問: 次回作"Dark Horse"ですが、過去作と比べもっと家族向けに近いと云う話ですが。
T.S.: 今は云えない。どう説明したらいいのか分かったら云うよ。
質問: 突然、ハリウッドの100億円映画を監督してくれと云われたらどうしますか?
T.S.: 脚本が良ければやるよ。大手の映画はやらないなんて一言もやってない。でも自分で書いたものが優先されるし、100億円規模のモノになるとは思えないね。
質問: ちょっとずつ書き貯めて、暫く経った後で整理し直すタイプですか?
T.S.: そうだね。ケースによる。大した事は書かないけど。
質問: 夢の企画はありますか?
T.S.: 毎回、夢の企画だよ。製作するものは毎回ね。実際、完成した時は信じられないくらいだ。自分の書いたモノに投資してくれる人がいるなんて。
質問: 今回の作品ではREDキャメラを使って撮影されています。
T.S.: 撮影監督にはEd Lachmanを雇った。REDには問題点があったし、有利な点もあった。経済的な事を考えると、REDを選択したのは正解だった。また使うか?って訊かれたら、企画内容にもよるし、予算にもよる。キチンとしたカメラマンを雇えば、35㍉かREDかと云うのは余り問題ではない。
質問: 一番、影響を受けた監督は?
T.S.: それに関しては、もう任せるよ。誰のをパクったとかさ。Todd Haynesは面白いね。Gus Van SantやTerry Zwigoffも。リストは上げたらきりがない.....。
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