Sunday, October 24, 2010

Why Did B-Movies Vanish From Theaters?

「低予算映画の皇帝ロジャー・コーマンに訊く。なぜB級映画は劇場から姿を消したのか?」のウォールストリート・ジャーナル紙の記事を読んで感心。60年代、70年代の映画館には必ずB級映画を上映してる場所があったが、最近、全く見かけない。実際、今でもB級映画と云うのは存在するが、劇場で観る事はまずない。ほぼ100%のB級映画はDVDもしくはCATVでの閲覧となる。このB級映画と云うジャンルを確立したのが映画プロデューサーのロジャー・コーマン氏(84)だ。氏は「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」「デスレース2000」「X線の眼を持つ男」「忍者と悪女」等など、1,000本ものB級映画を半世紀に渡って製作した。

Q: なぜ劇場はあなたが作る様なB級映画を公開しなくなったのか?

A: まず「ジョーズ」(1975年)だね。あの映画が出るまで我々の映画は、何を公開してもカネになった。「デスレース2000」「グランド・セフト・オート」「ロックンロール・ハイスクール」の収益も凄かったし、全米公開でなくともハリウッドのスタジオとも互角に戦えた。テレビでの放映権も全米規模で売れる事はなくても、地域ごとに販売出来た。大手のNBC、ABC以外の独立系のテレビ局にも販売出来た。彼等は安い放映権でもっと広告が売る事が出来たからだ。とにかく経費の安さでメジャーと戦えた。その他にも、1本の映画に2,000とか3,000本の上映プリントも焼く必要がなかったし。

Q: と云う事は、どう云う映画がどの地域で売れるかって云う事も分かってたわけですね?

A: 勿論。我々の映画は全米中のドライブインシアターで絶大な支持を得ていた。ドライブインと通常の劇場でも同時公開した。特にドライブインでの興収はメジャーと同等、もしくは凌駕していたくらいだ。通常の劇場数はメジャー程ではないが、同時公開によって我々はこの熾烈な「映画興行ゲーム」で善戦出来たと云う事だ。60年代、70年代、そして80年代初期が我々、インディー映画会社にとっての黄金期だったと云ってもいい。

Q: で、その後、何が起こったんですか?

A: ドライブイン劇場は姿を消し始め、配給コストが高騰し始めた。そして1975年の「ジョーズ」が公開された。ニューヨークタイムズ紙の映画評論家ヴィンセント・キャンビーがあの映画の事を「巨大予算のロジャー・コーマン映画」と評した。それだけじゃない「もっとマシなコーマン映画だ」と。私はそれを読んで完璧に納得したよ。「ジョーズ」を観た後、「これは俺が以前作った映画じゃないか!」と。私が半世紀前に作ったデビュー作は「海底からのモンスター」と云う低予算映画だった。このとき初めて、メジャーとB級映画のエッセンスが融合したと云える。その後すぐ、「スターウォーズ」が公開され、結果は「ジョーズ」並の大ヒット。ルーカスとスピルバーグは我々が以前から作っていた映画のバックボーンを持って行ってしまったんだ。

Q: 「ジョーズ」が公開された後、どのように対処、そして業界で生き残ったんですか?

A: 今だに私の作品は劇場公開されてる。映画の宣伝や口コミでビデオの売上が決まると思ってるから、大したカネは稼いでないが。劇場公開時に赤字が目立つ様になって来た時点で、これは広告費みたいなモンだと思う様になり、更に赤字が拡大し始めた頃、ライバル会社も含め我々は劇場公開事業からの撤退を決めた。

Q: 観客に認知させる為にどのような宣伝をしましたか?

A: 大手レンタルチェーンのブロックバスターや個人経営の店にも広告を出した。リリース前にポスターや予告ビデオ等を店頭に置かせてもらった。効率的かと云われればノーだが、何もやらないよりはマシだ。

Q: B級映画の現状は?

A: 私は半世紀以上、映画を作り続けている。我々の製作してる様な低予算、B級映画と云われるジャンルは今、どん底にあると認識してる。稼げるのはDVDリリース時の極わずかな金額だ。ケーブルではもうちょっとマシな金額を稼げてるし、海外市場でも稼げてる。しかし利益率は今までにない低さだ。今、たった一つの望みはインターネットだ。ネット配給は始まったばかりで、形にもなってない。しかしネット経由で利益が出始めているのも確かで、拡大するのは間違いない。だからそこに焦点を当て、ささやかな利益を生み、近い将来、これまで築いた映画ライブラリをネットで構築したいと望んでる.....。

ロジャー・コーマンと云えば、若い無名の才能のあるフィルムメイカーを世に送り出したと云う功績を忘れてはいけない。俳優ジャック・ニコルソン、デニス・ホッパー、ピーター・フォンダ、監督では「ゴッドファーザー」のフランシス・コッポラ、「アバター」「タイタニック」のジェームズ・キャメロン、「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミ、「アポロ13」のロン・ハワード、作家の村上龍監督作品もプロデュース。日本の作品では松本零士、宮崎駿のアニメ作品をアメリカに輸入したり、「座頭市」シリーズをアメリカに紹介したのもコーマンだ。

「クール・ジャパン:経産省が新部署 アニメなど売り込みへ」

経済産業省は来年度に専門部署を新設し、「クール・ジャパン」として世界的に人気が高いアニメやファッション、食など文化産業の海外での売り込みを強化する。菅直人首相が主導する成長戦略の一環。新たな主力産業と位置付け、育成を図る。新設される「クリエイティブ産業部」(仮称)は専門職員数十人規模になる予定で、来年度の組織改正案に新設を盛り込んだ。海外で文化産業をビジネス展開できる人材育成や資金調達、流通ルート確保などを支援する。韓国は大統領がトップを務める「国家ブランド委員会」を設置し、ファッション業界などと一体となり、海外での普及に取り組んでいる。この結果、韓国の文化産業は知名度が上がり、日本の脅威となっている。日本は産業育成は経産省、文化交流は外務省などといったように、省庁ごとに縦割りで対応している。経産省は「新部署では各省庁と密に連絡を取り合い、韓国や中国がまねのできない(日本独自の)『価値』を発信していきたい」としている。 (毎日新聞)

ここまでしつこいと笑っちまうんだが、同省の云う「クールジャパン」なんてモンは存在しない。日本のアニメ商品は2007年に世界的にピークアウトしてる。アニメ・バブルが崩壊したと云う事。嘘だと思うならテレビ東京のアニメ担当プロデューサーに訊いたらいい。「日本人が思ってる程、日本のアニメなんか売れてない」と。それは10~5年前の話で、何で今、血税をこう云う処に遣うのか?と。不思議としか云いようがない。この省の官畜等は「♬税金遣ってアニメの仕事が出来る♬」くらいにしか思ってないんだろう。今、日本では毎日、3度、3度食えてない人が多いのにだ.....。

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