Monday, October 24, 2011

Nuke Industry... Now Gas Industry Freaked Out

都市ガス業界、戦々恐々 電力改革、あすは我が身似た料金制度・地域独占 「脱原発」風乗れず

東京電力の福島第1原子力発電所事故を契機に電力業界の改革論議が高まったことに都市ガス業界が戦々恐々としている。都市ガス業界は地域独占や料金の決定 方式など電力業界と似た面が多い。これまでは東電を中心とした巨大な電力業界が公益事業の“代表格”として批判をはねのけてきたが、その力はもうない。陰に隠れていた都市ガス業界にスポットライトが当たり始めてきたことで、戸惑いが隠せなくなってきた。

「早いタイミングで新大臣との懇談の機会をいただき、ありがとうございます」。9月28日の枝野幸男経済産業相と日本ガス協会との意見交換会。大臣交代時に業界ごとに懇談の機会が設けられるが、今回は都市ガス業界がトップバッター。鳥原光憲会長(東京ガス会長)は、枝野経産相に感謝の意を伝え、思わず顔をほころばせた。

こうした機会で都市ガスが電力に先んじることはエネルギー業界の序列からいって「絶対にあり得ないこと」(都市ガス業界関係者)。自動車、鉄鋼、石油……。並みいる強豪を抑え最初に都市ガス業界が選ばれること自体が異例だった。

枝野経産相は会談の中で、今後の有力なエネルギーとして天然ガスの優位性を強調し、「経産省も支援をしていくので(業界として)前へ前へ進んでほしい」とエールを送った。「大臣は電力を“仮想敵”として、都市ガス業界を味方につけるつもりなのか」(電力大手幹部)。枝野経産相の都市ガス業界への急接近に、電力業界内に緊張が走った。

液化天然ガス(LNG)を主原料とする都市ガス会社には追い風が吹いている。ガス協会の鳥原会長も「天然ガスを使ったコージェネレーション(熱電併給)システムをもっと普及させるべきだ」との発言を繰り返し、ガス事業の拡大に向け、一見すると鼻息は荒いようにみえる。

しかし、ことはそう単純ではない。都市ガス業界の構造は電力と似ており、電力の抱える“暗部”が浮き彫りになればなるほど、自らの業界にも火の粉が降りかかってくる可能性が高まる。

典型的なのが人件費や燃料費などの費用を積み上げ、所有設備などの総資産に一定の事業報酬を上乗せする「総括原価方式」の料金制度だ。

政府の東電に関する経営・財務調査委員会が3日まとめた報告書では東電が見積もった料金原価が実績よりも直近10年間で約6000億円も多かったと指摘。原価にはオール電化関連広告費、寄付金なども含まれていた。下河辺和彦委員長は「長年にわたり極めて大きな問題を抱えている」と批判、制度改正は不可避との見通しを示した。

都市ガス業界の料金制度も電力業界とほぼ同様の総括原価方式を採用。枝野経産相も9月28日のガス協会との懇談後に記者団に対し、料金制度について「電力と同じようなシステムを持つほかの分野でも検討を進める」と述べ、都市ガス料金も将来の見直し対象とする意向を明らかにした。

もう一つ、やり玉に挙がりそうなのが地域独占だ。電力業界は大手10社で国内の大半の電力需要を分け合っている。一方で、都市ガスは中小の事業者も含めると全国に209社と多いが、大都市圏の大手4社(東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガス)に限ると全需要の7割を占め、実態は電力と変わらない。   

10月3日に開催された経産省の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)。「(大都市間をつなぐ)インフラの整備については、電力会社以上にガス事業者は消極的だった」。委員の一人で、「原子力損害賠償支援機構」の運営委員も兼務する東大の松村敏弘教授は、地域独占を守ろうとする都市ガス業界の姿勢に苦言を呈した。

沖縄電力を除く9電力会社間では送電網を通じて細いながらも電力融通が可能。一方で、大都市圏を抱える大手4社間はパイプラインが全くつながっていない。地域独占の壁によって、競争が進まないだけでなく、もし中部地域で巨大地震と津波が発生し、伊勢湾内のLNG受け入れ基地に被害が出た場合に「浜岡原発の停止よりももっと深刻な事態になりかねない」(松村教授)。原発に代わるエネルギーとしてガスの役割が増すなか、セキュリティーの面からも幹線パイプラインの整備が急務になっている。

「脱原発」の追い風にも乗れない。1995年以降電力と都市ガスで徐々に参入規制が撤廃され、東京ガスと大阪ガスは電力事業に進出していった。しかし大口需要家などの自由化分野における異業種の参入状況を比較すると都市ガスの14%に対し、電力は3%にとどまる。都市ガス会社は電力市場に今ひとつ切り込めていない。

事業規模の違いや電力への参入障壁が高いという背景はあるが、「電力会社が本気で都市ガス市場に参入してきたら、我々はひとたまりもない」(都市ガス大手幹部)。虎の尾を踏まないように、自分たちの領域を守っているようにみえる。

電力業界がオール電化を進めながら節電をお願いするのはまったく理解できない――。都市ガス業界関係者は口をそろえるが、枝野経産相との会談でも「業界と して是正の要望はしなかった」(日本ガス協会)。ここ数年電力業界にじりじりと顧客を奪われていた都市ガス業界にとって、事態打開のチャンスだったにもか かわらずだ。「結局、電力業界の逆襲が怖いのだろう」。経産省幹部はこう見立てる。

福島原発事故後はエネルギー業界を取り巻く環境が一変した。電気事業連合会が14日まとめた9月の発受電電力量は前年同月比9.1%減少。9月としては過去最大の落ち込み幅になった。電力と同様に都市ガスも省エネの流れを受け、8月まで6カ月連続で販売量が減少。商業用にいたっては8月に統計が残る50年4月以来最大の減少率(13%)を記録している。

攻撃は最大の防御――。これまでの“守りの姿勢”では自らに優位に働いていた制度や慣習、経営環境を維持できなくなるのは目に見えている。地味な印象が強かった都市ガスの経営者は自ら生まれ変わり、日本のエネルギー産業をリードする発信力と構想力が問われている。(日経新聞)

日本国の利権国家振りには、目に余るモノがある。とにかく一度、大々的な清算をする必要がある。電力だけじゃない、ガスや水道も。どのエネルギー業界にも特殊利権があり、そこに悪い輩が群がるわけだ。特に広告代理店。この代理店がスピンドクターとなり、業界、メディア、御用学者を蹂躙する。電力だけじゃなく、ガス、水道業界も同じ穴のムジナな訳だ。地域独占を盾に好き放題、勝手してるわけよ。とにかく全面見直しだな.....。


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