Monday, December 12, 2011

Osaka Blues

ホステスはキャバクラに流れ、老舗は閉店…師走も無情、北新地

長引く不況に東日本大震災後の自粛ムードも加わり、各地のネオン街は師走を迎えても活気を失ったままだ。銀座と並ぶ社交街の大阪・北新地も同じ。今年に入って老舗の大型クラブや料亭が相次ぎ閉店。ホステスが実入りのいいキャバクラなどで働くことを好むため、古くから新地で商売するラウンジ経営者からは「客も女の子も集まらない」とボヤキも聞かれる。苦境に立つ北新地の今を探った。

「今はどの店もギリギリのところで商売していると思いますよ」

北新地の店を網羅した新地新聞を発行するKIC(北新地情報センター)の担当者は苦笑混じりにこんなエピソードを明かす。

月初めに、新地新聞に掲載している店がちゃんと営業しているかどうかを確かめるため電話を入れると、「現在使われていません」などと不通になっている店が必ずある。しかし、10日後に再びかけると通じる場合があるという。そんな店が何十軒も。「これは、客から入金があるなど余裕のあるときだけ電話代を払っているから。それだけ、綱渡りの経営を続けている店が多いということですね」と担当者。

「リーマンショック後はずっと悪い状態が続いている」

北新地でラウンジなどを経営する60代男性もこう話す。

男性によれば、新地は現在3千店弱の営業規模があるが、約700店分が“空き”の状態。今年5月には、老舗の高級クラブが店を閉めた。座っただけで5〜10万円。ホステス60〜70人を抱え、バブル期には新興の客らでにぎわった大型店だった。また、新地の中心で数十年続いた料亭も今春ごろ閉店した。

こうした由緒のある店に取って代わっているのが、キャバクラやガールズバー、洋風・中華風の居酒屋など。安くて不況向きという理由以外に、新地一帯の家賃が安くなっていることも進出に拍車をかけているようだ。

高級イメージの強い北新地だが、最近は同じ大阪・キタでも若い客が多く、大衆的な店の多い阪急東通商店街周辺よりも相対的に家賃が安い傾向にある。先の男性が数年前のデータとして教えてくれたところによると、30坪のテナントスペースの1カ月の家賃は、東通なら50〜60万円、新地は50万円を切るくらいだという。

新地では今、運転資金も含め500万円もあれば、開店できるという。これは、店舗や営業の権利を売買していたバブル期のころと比べ一ケタ安い。だからチェーン店や大型資本の店が進出しやすい。個人でも簡単に開業できるが、客がつかなければすぐにつぶれ、2年も持てばいい方といわれる。

「数カ月前までは、開店や閉店、移店などで月に100軒ほどが動いていた。社用の街である新地が夜だけの営業で、土日祝、盆、暮れと休みが多いのに対し、東通は年中、しかも朝方まで営業している。不況が長引くとともに、そういう稼働日数・時間の違いも家賃に反映されるようになってきた」と先の男性は指摘する。

一方、昔から続く格式のあるクラブは今や数十軒程度になったが、企業のオーナーなどしっかりした客がつき、値下げもせずに済んでいるので、それなりにはやっている。「店の周年やママの誕生日なんかに奮発し、30分で60〜70万円も使う客は今でもいる」(先の男性)。というわけで、安い店と高級店の二極化が進んでいるというのだ。

その割を食っているのが、中間店。いわゆる昔ながらの営業スタイルをとるラウンジやスナック、バーなどだ。あるバーは新地の“休業日”の土曜も長年営業してきたが、客がめっきり減ったため、今年6月から休みにした。「同窓会で毎年土曜に利用してくれる団体客の申し込みが今年はなかった。最近は2次会とか行くこともなくなったようですね」とホステスは嘆く。

新地にホステスが集まらないという問題も起きている。先の男性によれば、「時給制のバイトだと、今の若い女の子はラウンジよりもキャバクラに流れる」。ラウンジだと、勤務時間が短く、稼ぎが限られる上、年配客相手で規制も多く、かたくるしい。しかし、キャバクラだと未明まで勤めて一日にそこそこ稼げる上、若い客相手で、水商売の経験がそれほどなくとも気軽にいける。だから新地を支えてきた有名ラウンジであっても最近はホステスの人材難に陥り、不満を漏らすママや経営者が多いという。

師走を迎えてもかつてのような活気はなく、「店を12月いっぱいで閉めるという話もよく聞く」(あるスナックのマスター)。今のところ街全体に活気をもたらす起死回生策は見当たらない。11月には3代目北新地クイーンも決まったが、「あんなもん、ただの話題作り。客足にはつながっていない」(同)。結局は個々の店の営業努力の積み重ねしかないのは、今も昔も同じなのか…。(倒産速報)

久しく関西経済の疲弊振りはマスコミを通じて報じられているが、正直、改善の兆しは全く見られてないのが実情。先週、大阪市長選で新市長が選ばれ、「これから大阪の時代」と叫ばれてたが、実際問題、どうなんだろうね。余剰人員の市庁舎に、二重行政。一人で出来る仕事に数人がまとわりついている、この大都市に光明は見えるのか?って話だけど、まぁ、反対派に対して相当な労力が要るんじゃないかと。抵抗勢力も水面下で何やら仕掛けてるって話だし。新市長はダウンサイズ派で、バッサバッサと切り刻んで来た。これじゃ、夜の大阪も気が気じゃないよな.....。

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