10年くらい前に文藝春秋の編集者に教えられた小説「渦」を先月、アマゾンで1円で購入し、ようやく昨日読み終えた。内容は「視聴率はどうやって計算され、どういうシステムで解析されていくのか?」を縦軸に、殺人事件を横軸に絡めていくというモノ。正直、この業界内幕物を無理やり、作者の松本清張お得意の殺人ミステリーを絡めるというのに、「これは幾ら何でも、無理があるだろう」って感じがしないでもなかったわけよ。
ご存知の通り、清張作品はこれまで百本以上が映像化されてる。そのほとんどが、映画ではなく、2時間テレビドラマ。同じタイトルが何回も何十回もドラマになってる。俺は清張ファンでもなく、当然、この日まで一冊も読んだ事、視聴した事がなかった。
読んだ理由は一つ。清張作品で唯一、映像化されてない作品だからだ。この事実に興味を引いた。何でこれだけテレビになってないんだ?読んで納得。各局は嫌がるだろうね。当然、各局プロデューサーはこのタイトルを読んでないわけがない。しかし余りにも自分たちに近づき過ぎてる内容な為、見送られてるわけよ。WOWOWの様な有料放送局でさえ、一回も手を出してない。他作品には手を出してるのにだ。
出版歴を見ると、1977年初版。今とは違い、テレビ業界は上がり一本調子の頃だ。もし映像化が決まったら、当然、電通は全力を挙げて止めにかかるだろう。本編に出てくる視聴率調査会社はTVスタディー社。これは現実の調査会社のビデオリサーチをモデルにしてる。後者は民放全社と電通が金を出し合って設立したお手盛り調査会社。だから、毎日出てる視聴率はどこまで本当なのかマユツバ以外の何物でもない。
興味ある人は一読を。
Production diary for my movies since May 25th, 2004...and Mac, Movies and MLB. 2004-2015 © Vermilion Editions, LLC.
Tuesday, January 06, 2015
TV Ratings and Murder
Subscribe to:
Post Comments (Atom)

No comments:
Post a Comment