「高品質」が神通力を失った〜「自動車」から見放される新日鉄。7月に日米両国で発表されたトヨタ自動車の最高級車「レクサス」のリコール。通常の走行時に「エンジンが止まる」というクレームが販売店などに複数件寄せられ、同社が原因を調べたところ、エンジン内に空気と燃料を送り込むバルブの動きを助ける「バルブスプリング」と呼ばれる部品に欠陥が見つかった。トヨタのリコール自体はもはや珍しいニュースではないが、今回の案件では、もう一人の「隠れた主役」の方に関係者の注目が集まっている。このバルブスプリングの素材を作ったのが、日本のモノづくりの最高峰を自負してきた新日本製鐵だったからだ。マスコミは恐らく新日鐵に「遠慮」してのことなのだろう、どこも書いていない。◆考えられないミス
トヨタの発表資料によると、スプリングの元となる線材の製造過程で微小異物が混入したのが原因とみられ、放置すると異音が生じるほか、場合によっては欠損する危険性があるという。バルブスプリングの欠陥を原因とする事故はまだ起きていないものの、「自動車メーカーが最も神経を使うエンジンでのトラブルなだけに、報告を聞いた時は一瞬背筋が凍った」(トヨタ系ディーラー幹部)。新日鐵にとって上得意の、しかも旗艦車種に27万台に上る回収・無償修理をもたらしたバルブスプリングは、長さがたった数㌢、重さ数十㌘という小さなパーツ。ボディなどに使われる表面処理鋼板などと違って消費者の目に直接触れることはないが、自動車の心臓部を構成する重要部品であるがゆえに、「手抜きは
決して許されない」(ライバルの鉄鋼メーカー幹部)はずだった。今回、不良品が発生したのは線材を作る「炉の中に不純物が混じっていたからではないか」と鉄鋼業界関係者は指摘する。高炉や電炉内部に不純物が紛れ込まないよう注意することは、鉄鋼の強度や粘り等を設計通りに出すために欠かせない最も基本的な仕事。さらに定期的に炉の清掃・改修などを行って生産ラインを常に万全に保つことは、品質維持のための絶対条件とされている。長らく国内鉄鋼業界の覇者として、粗鋼生産量とともに「高品質」を売りにしてきた同社にしては考えられないミスとの声が多い。現場に何らかの「異変」が起きているのだろう。「エコカー補助金が切れる前の駆け込み需要で新車販売が盛り上がっている書き入れ時に、炉をメンテナンスする手間を惜しんだのでは」(前出の鉄鋼メーカー幹部)。あるいは、原料炭で2009年度比5割増、鉄鉱石で同2倍にまで跳ね上がった原料価格の高騰で利ざやの減った新日鐵が、「コスト増につながるとの懸念から品質管理面での不断の努力を怠ったのではないか」(他の自動車メーカー大手幹部)と指摘する向きもある.....。厳しいねぇ。マジに厳しいねぇ。てか復活の兆しさえ見えない。こう云うのって、一度失墜すると再起は不能って見るべきじゃない?これまでの日本の優秀産業って、最初はクソで、徐々に改良、改良で成長してったんだろ?この記事は失墜がテーマ。振返ってみると「失墜からの復活」ってなかった様な気がする。難しいね。てか、もう無理だって.....。
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