Saturday, September 18, 2010

Make Your Own Damn Movie!


「悪魔の毒々モンスター」「カブキマンN.Y.P.D.」等、これまで数百本のZ級映画で有名な映画プロデューサーLloyd Kaufman製作のドキュメンタリー「悪魔の毒々映画をカンヌで売る方法」を観た。正直、全く期待せずに観た訳だが、これがまた意外に良く出来たドキュメンタリーだった。いや、正確に云うと、このDVDの特典映像が本編よりも出来が恐ろしく良く、ビックリした訳だな。本作は2002年公開の映画で、カンヌ映画祭でのトロマチームの奮闘劇が収録されている。とにかく自分達で製作した映画を一ヶ国でも多く販売したいと奮闘するわけだが、宿泊先のホテル側から叩き出されたり、ライバルの配給会社に妨害されたりと、踏んだり蹴ったりの様子。ホテルのトロマ作戦本部に、バカの日本人配給会社の人間、明らかにGAGA創設者の藤村某なわけだが、映画を買う買わないで一悶着あり、トロマチームの内ゲバと題して、同僚が他の同僚の鞄に小便をしたりとか、映画ビジネスの狂った一端が垣間みれる。俺には懐かしいシーンも少なくなかったが、正直、為になる様なとこは一ヶ所もなかった凡作低予算ドキュメンタリーだ。このまま返却しようかと思ったが、特典映像もあったので取り敢えず観た。これがビックリ。無茶苦茶、まともな訳だな。まずニューメキシコの個人経営のDVD屋のインタビュー。そして圧巻なのは、と云うか一番、目から鱗だったのが映画監督Eli Rothの自宅でのインタビュー。如何にしてデビューしたかを語る訳だが、とにかく思わずメモしちまったよ。以下がそのまとめ。

映画ビジネスで一番重要なのはネガだ。作った映画の権利を所有するかどうかで大きな違いが出て来る。配給契約はキチントした方が良い。特に相手が中小企業の配給会社の場合、契約に期限をつけるべきだ。良い映画程、息が長く、長い目で見た価値は大きい。配給してもらう代わりに、先の権利まで譲り渡す様な不利な契約はしてはならない。強気の交渉が鍵。「自分の作品を管理する」と云う頭がないとダメ。いざ、DVDにする時、ネガがどこにあるか分からなくなる監督とかがいたり、預けた配給会社が倒産してたり、最悪のなのはラボで捨てられてたりするケースもある。作品のネガは絶対手放してはいけない。「ネガは金のなる木だ」

映画を作るのにケチってもいいが、映画を売るのにケチっちゃいけない。

自分の映画で金を受け取れるのはいつ? 最初の支払いは契約した後の半年後だ。支払いが来たら、まず10%はエージェントに、そして弁護士に払い、残りは投資家に行くが、まだ製作陣には来ない。成功した様に世間では見えるけど、本人は腹が減ってるんだ。自主映画で生計を立てるのは至難の業だ。

糞だと思った映画の脚本を読め。そして自分なりに分析しろ。「何故クソなのか?」と。答えが見つかるまで考えろ。そしてわかったら自分の表現に当てはめてみる。スタン・リー

他にも多々あったが、取り敢えず興味ある人は観て欲しい一本.....。

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