Sunday, October 10, 2010

"Hereafter": Clint Eastwood's French Film


Clint Eastwood(80)の32作目の監督作"Hereafter"が先月のトロント国際映画祭でプレミア上映。高齢にもかかわらず、まだまだ現役だ。実際、この作品以降の撮影予定作も1本や2本じゃない。4年足らずで6本目と云うハイペース。撮影は4ヶ国で行われ、監督自身、ここまでデジタル処理を施した作品は初めてだ。新藤兼人もそうだが、年齢が積み重なると、作品に「老い」「死」等のテーマを重ねる傾向にあるが、Eastwoodの最新作もそのテーマを追っている。「この年だろ、過去にやったもの等、全く興味ない。だから西部劇から離れたんだ」と西部劇からキャリアを始めたEastwood監督。「死後の世界に興味があった。それをテーマにした脚本が"Hereafter"だった」。映画の舞台はサンフランシスコ。そこで突然、津波が発生。それに翻弄される人々を描く。「30歳、40歳であってもこの映画を監督してたと思いたいね。ストーリーが素晴らしいからだ。私は以前、監督もやる役者だったが、今は演技も出来る監督だと思う。時々かな?いや、もうないと思う」と、80年代から所有している北カリフォルニアのホテルでEastwoodは語った。「1951、52年頃、よくこの辺に来てた。初めてアルコールを飲んだ21の時がここだった」と当時を振り返る。 映画の話に戻る。「精神的なストーリーだが、宗教くさいところは何もないし、ロマンチックでさえある。最近の映画はセックスシーンに飛ぶが、この映画ではそう云うのはない。冒頭で津波が来る。映画の最終幕の囮に過ぎない」。この構成は典型的なハリウッド映画とは異なる。映画のプロデューサーSteven Spielbergと脚本家Peter Morganはは当初からそれが問題になるとわかっていた。脚本家のMorganは別のエンディングも用意していたと告白。しかし全員の合意で「普通じゃない」エンディング、つまりトロントでのプレミア上映されたモノで決定した。更に重要なのは主演のMatt Damonによると、「ハリウッドのやり方は第3幕(再終幕)で息切れしてはならない、映画の最後はドッカーン!と云う様なものを通常は用意する。もう一方のやり方は、劇中の謎を最後に全て明かすと云うのが典型的なモノだ。自分の8歳の娘がこの映画を観て、何が一体起こってるのか意味不明なんてかわいそう過ぎる。しかしClintのやり方は完全に違う。この作品に限って云えば、典型的なハリウッドエンディングは必要としなかった」と明かす。更にこの作品を「Eastwoodのフランス映画」とも称し、監督本人は「女向けの映画」と云っている。「Mattは一緒に仕事して本当に楽しい役者だ」と"Invictus"に続いて本作で2本目となるMatt Damonをこう評す。「ほとんどの役者は脚本の一部だけ見て、自分の出る箇所しか注目しないが、Mattは関係なく脚本全部を把握する」と、監督は映画の出来に満足している。「人は私が何を信じてるのか常に訊いて来る。正直、分からないし、閉ざしてるつもりもない。人生長く生きていると、全てが分かった様な気になる時もあれば、何も分かっちゃいないと思う時もある。今は待ってるって感じだね。皆、そうだろ?」.....。Los Angeles Times紙。

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