Wednesday, November 24, 2010

Indies Should Be Afraid Of Piracy

今日、ここでは「海賊版」について語りたい。これは映画関係者全員の悩みで、映画監督から映画会社の重役まで、被害を被らない者は一人とていない。ネット配信が盛んになり、犯人は既に分かっている。音楽業界を見てみるといい。音楽産業は恐らく、どのコンテンツ業界よりも海賊版の被害を被っているセクターだ。問題は「他のビジネスモデルを探すのか?」そして「映画業界の対策は?」の二点に絞られる。

まず事実を知る必要がある。世界の映画興収の75%はハリウッドのスタジオが掌握している。と云う事は世界の映画産業の運命は彼等の一存に任されている。インディーズ映画のコミュニティ(”業界”でもなく”産業”でもない)は、この海賊版被害を避ける為に別ルートでの配給を模索している。例えばMagnolia社がやっている劇場公開前のビデオ・オン・デマンド公開。海賊版に従事している者達は、ハリウッド映画以外の自主映画、インディーズ映画には興味を示さない傾向にある。しかし海賊版の野放しは、インディーズもハリウッドも関係なく被害が及ぶ。もう一つの問題点は、インディーズ映画の観客は大部分が成人であるのに対し、ハリウッド映画の観客は20歳前後の若年層で、彼等は違法ダウンロード映画を観るのに違和感、罪悪感を感じていない。想像して欲しい。この若年層が、海賊版や違法ビデオに何ら違和感を感じないまま5年後、10年後、インディーズ映画を観る年齢になった時の事を。全業界は若年層の観客に何らかの施策を講じないと手遅れになる可能性が高い。

1) 違法、海賊版の影響は映画監督、プロデューサーが考える以上に深刻だ。MPAA(アメリカ映画協会)の担当者によると、「投資金額の規模を見れば一目瞭然。ハリウッド映画よりもインディーズ映画の方が被害規模が甚大だ。前者は多少の被害があっても海外市場や二次使用の”敗者復活”があるが、インディーズは被害遭ったらもう一巻の終わりと見ていい」。

2) 製作費100億円の映画だけが被害に遭ってるわけではない。製作費10億円で製作されたサミュエル・ジャクソン主演のスリラー”Unthinkable”は一般公開前にネットに流れた為、DVDリリースに影響が出た。

3) 対処法の一つとして、コンテンツの一部を無料配布すると云うやり方がある。ミュージシャンのNine Inch NailsのTrent Reznorは無料コンテンツと有料コンテンツの二種を配信。映画監督、プロデューサーも無料で観客を結びつけ、有料コンテンツにアクセスさせる様に誘うと云うやり方もある。

4) ユーザー、観客の「満足感」を決して過小評価してはいけない。娯楽コンテンツの拡大で、観客はいつでもどこでも欲しいモノにアクセスしたがる傾向が年々顕著になっている。ユーザー、観客の「今、欲しい」を送り手側は認識すべき。それが海賊版、違法ダウンロードから観客を遠ざける理由になり得るからだ。

5) ハイブリッド配給は、違法、海賊版対策に送り手側も受け手側にも有効と云える。Magnolia社とIFC社は劇場公開とVOD配信を同時にl公開している。それにより観客は海賊、違法ソフトのアクセスに注目が行かなくなっていると云う。

6) 海賊、違法ダウンロードのほとんどはハリウッド映画だが、インディーズ映画にもリスクはある。海賊、違法ダウンロードに対し無関心のままでいると、気づいた頃にはトンでもない額の損失、ビジネスチャンスを失う事になる。

7) 配給の宣伝方法をもっとクリエーティブにすればするほど、宣伝、営業チャンスは倍増する。監督・脚本家のEd Burnsの新作ロマンティックコメディ”Nice Guy Johnny”はDVDとVOD、そして劇場公開で同時リリース。監督、プロデューサー、配給会社のFilmBuff社は想像以上の宣伝展開が出来た。

8) 違法、海賊版を甘く見ると、製作側にも映画の製作機会を失う事になる。MPAAは「製作側に海賊版の意識がないと、出資者の信頼を勝ち取る事は出来ない」と云っている。理由は違法ダウンロードによって、投資額が戻って来る可能性が低いと見るからだ。

9) 海賊版市場のユーザー達を教育する必要がある。

10) 対違法ダウンロードの最高の対抗手段は観客を教育する事だ。映画の企画中、あるいは金策中に、Kickstarterやindiegogo等のウェブサイトで製作前段階でファンを作り上げる事も有効手段だ。

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