Los Angeles中心部に本拠があるRampart地区警察署は昔っから評判の悪い署で、汚職警官の吹きだまりだった。80年代末期から90年代初期まで、俺はこの近所に住んでて、この署の悪評は隣近所からも聞こえて来てた。90年代後期には、ついに署の歴史で最悪のスキャンダルが発覚。勿論、これにハリウッドが飛びつかないわけが無い。スキャンダルとは部署内の対ギャング捜査班数十人が公文書偽造の疑いをかけられる。この事件は後にTVシリーズ“The Shield”や2001年公開のDenzel Washington主演作“Training Day”等に大きな影響を与えた事件でもある。そして最近もこの事件を基にした“Rampart”と云う映画が製作されてる。脚本は“L.A. Confidential”や“Black Dahlia"のJames Ellroyが執筆。主演は"Natural Born Killers"のWoody Harrelson。映画は最近、ダウンタウンの治安の悪い地域Boyle Heightsで開始された。この映画“Rampart”は配給は決まっておらず、製作側は来年中の公開を目指していると云う完全インディーズ映画だ。舞台は90年代のLos Angeles、ストーリーはワナにはまるベテラン警官の話。共演は"Alien"のSigourney Weaver、"Forrest Gump"のRobin Wright、ラッパーのIce Cube、そしてインディー映画の重鎮俳優Steve Buscemiらがキャストされた。撮影は35日に渡って敢行、同地区のEcho Park、MacArthur ParkそしてAngelino Heights等、俺が青春を送ったヤバい地区を中心に撮影されたと云うから無視出来るわけが無い。「この映画の主役はずばりLos Angelesと云う街だ」と、製作会社Lightstream ProductionsのプロデューサーLawrence Ingleeは云う。俺がカネのない頃毎日食ってたTommy’sバーガーなんかも出てるって云うから、もう待ち切れないって感じ。作家で脚本家のEllroyも「LAが好きなのは暗くて洞窟の様なところだからだ」と云う。「LAで映画の撮影をするのは大変だ。これに賛同してくれる投資家を探すのは大変だった」とプロデューサー。他の州、他の街では税の優遇措置を設けているが、LAには該当する様なモノは無い。本作はカリフォルニア州の優遇措置に応募しており、州政府からのOKを待っている最中だ。本作の製作費は2,000万㌦以下で、日本円にすると15億円以下と云う事になる。投資したのはLAs Vegasに本拠を置く映画投資顧問会社Amalgam Features社だ。監督のOren Movermanと共同執筆したEllroyは長年のロス市警サポーターで、「あの事件を整理する必要があったから、この企画に参加した」と明かす。違和感を感じたのがマスコミの扱い。「特に最初に報じたLos Angeles Times紙の報道は大袈裟で正確性を欠き、同署の評判を汚すものだと感じた」と振返る。「あれが起こった1999年を正確に記すつもりだ」と意気込みを語る。「あのスキャンダルを描いてるのは勿論だが、基本はフィクションだ」とも。公開が待ち切れんぞ!

No comments:
Post a Comment