Wednesday, December 22, 2010

Japan Forecasts GDP Growth to Slow in 2011

●2011年を予測する前に

11月末で家電エコポイントが事実上終了した。9月に自動車のエコポイントが急に終わった時以上に駆け込み 需要は盛り上がったようだ。テレビは来年アナログ放送が停波になる。総務省も「地デジカ」を使って宣伝に余念がない。これだけ煽られれば、消費者が「この 際」と判断して買ってもおかしくはない。テレビ以外でも、季節はずれのエアコンや、冷蔵庫なども売れたようだ。

9月に自動車のエコポイ ントが予算に達して打ち切りなったが、こちらも一種のフィーバーになった。家電、自動車など耐久消費財が売れたのは、補助金行政で一時的な需要増であった にすぎない。自動車の販売数が落ち込んだごとく、家電業界も、反動で来年前半業績低迷に悩むことになるのは明らかだ。

このように、消費拡大の仕掛けにより景気を刺激する政策は2010年の経済の特徴だった。

それ以外に国内消費では、ユニクロ、ニトリに代表される格安で品質やデザインが合理的な商品を提供している企業の業績が良かった。この分野では HアンドMやZARA、フォーエバー21が日本市場に参入した。一方、日本の有名ブランドの1つであるダーバンが中国資本に買収された。家具では IKEAが販売拠点数を増やし、高額家具を中心とする大塚家具も店舗数を増やし、アパレルが主であった島忠も家具の取り扱いを増加させた。

前記した家電でも、流通・小売は激変の嵐に巻き込まれている。もちろん、嵐の中心に居るのは「ヤマダ電機」であり、それ以外のチェーン店では都心に巨大店 を展開するヨドバシカメラ、ビックカメラのような例もあるが、全般として大型店が中小の市場を奪う形が進行している。この動きは書店も同様だ。逆に、コン ビニが全般に好調で、スーパーマーケットや百貨店の業績は低迷したのが、2010年の特徴だ。

これらのことから、消費者は相変わらず臆病で、高額な買い物をせざるを得ない場合、量販店など品ぞろえの幅が広く、低価格で販売する店舗を選択するのが2010年の消費の特徴だったといえる。

●生産財の総括

目を生産財の景気に転じる。こちらは、欧米の金融政策の影響で為替が円が高止まりしたため、輸出が低迷した。一方、電力のように原材料の輸入価格は下が り、為替差益が出た企業もある。だが、今年の夏の暑さで電力消費が史上最大を記録したにもかかわらず、一般消費は低迷した。

交通機関なども、民主党の高速道路料金見直しなどの影響を受け、フェリー運行会社、JR、航空輸送などほぼ全面的に低迷した。そのほかの重機械や産業用機械は円高の影響と国内需要の落ち込みでこちらも全般的にさえない業績となった。

化学品業界もアパレルが駄目、石油を原料とするプラスティック製品も駄目となると業績はほかの業界と同じ。円高差益も、原料のナフサ高騰の影響で振るわなかった。

建設土木は公共事業が大幅に削減されたので、当然のことながら収益減。民需も振るわないため、各社とも海外展開に躍起だが、カントリーリスク、韓国勢との競合でこちらも苦戦を強いられている。

●不安定要素だらけの11年

エコ補助金以外は大して良い材料がなかった2010年だが、自動車であれ、家電であれ、エコ補助金を当てに して消費が盛り上がったのは間違いない。ただし、補助金という消費者を購買行動に駆り立てる動機付けとしては十分だったが、あくまで消費の先食いにすぎな い。従って、来年前半の家電製品の出荷が地上デジタル停波の駆け込み需要があったとしても対前年比で大幅に落ち込むことは容易に想像できる。特に国内市場 に頼っている東芝やシャープなどエコ補助金で勝ち組とされた企業は打撃を受けそうだ。

2010年に起きたもう1つ重要なファクターが円 高だ。生産財の動向でも述べたが消費財も同様に大きな影響を受けた。また、円高の原因となった欧米の信用不安と景気刺激策は今後も続くと予想される。世界 中の通貨で日本の円が高止まりした原因は日本の行政当局が長引くデフレで切るカードがないためだ。中国と並んで貿易収支の大きな黒字を抱えているが、それ が日本市場に還流しない、また、海外からの投資もほかの欧米諸国と比較しても大幅に少ない状況では、円高が早期に終焉(しゅうえん)するとは思えない。

欧米先進国の経済減速とは対照的にアジア、南米、中東産油国など新興国の消費は一層拡大している。経済紙などは中国ばかりに目を向けているが、東アジアか らインド、アラブへまたがる広範囲な地域が一様に経済発展の恩恵を受けている。彼らの強みは天然資源であり、低廉で上質な労働資源だ。過去、日本はこの地 域を生産拠点として位置付け、長らく投資をしてきた歴史があるが、市場として評価をするようになったのはつい最近だ。

それも、家電では韓国企業に遅れを取った。一方、自動車産業はインドを中心に投資を続け、市場としても高く評価を行い、それなりに成功を収めている。このようなマーケティング投資の過去の失敗をどの程度挽回できるが2011年以降10年間の鍵を握りそうだ。

世界経済の不安以外で、日本を含む極東地域の軍事的緊張も不安要素として挙げておかなければならない。北朝鮮の砲撃事件や日本の領海における中国漁船の違法操業、北方四島へのロシアの大統領訪問など日本をめぐる国際情勢の緊張が高まっている。

これらの事象は今や国際ビジネスで日本のライバルに勇躍した韓国や中国にとってマイナス要素でもあるが、日本にとっても、決してプラス要素とはならない。 また、原子爆弾製造の疑いをかけられているイランに日本は原油輸入で多くを頼っているなど、国際情勢の変化は日本にも大きな影響を及ぼすのだ。これらはす べて解決の筋道が決まったわけではない。つまり、2011年も引き続きわれわれを悩ますのは間違いない。

●2011年の展望

兎年だから「ジャンプの年」なんて、はしゃぎたいが、日本をめぐる国際政治・経済情勢はそんなに生やさしいものではない。国内政局もおととし、民主党が政 権を獲得したが、リーマンショックの影響が尾を引いて、なかなか景気は上向かない。むしろ、2010年前半の欧州の金融危機と米国の金利引き上げの影響を 受け、極端な円高が進み、企業の投資マインドは一挙に低下した。また、投資をするにしても、長期的な人口減の傾向が進む日本市場の先行きに見切りをつけ、 海外投資を加速させている。

これらの現象の背景に高齢化と人口減が大きな影響を投げかけているのは明らかで、何もしないなら長期的に日本経済は人口減少と同期して縮小する。その影響は民間企業のみならず、電力や鉄道のようなインフラを担う企業の活力も奪ってしまう。さらに、特に過疎地で は最大の雇用の受け皿となっている地方自治体が財政破たんすることを意味する。また、視点を海外に転じても、日本企業が国際的な優位を確保し続けるのか、どの個別市場でも疑わしい。欧米が経済回復でつまずく中、東アジア、南米、中東の産油国は相変わらず活況を呈するのは間違いないだろうが、その国が、求めるモノやサービスを日本から調達してくれるかどうかはアブダビの原子力発電 所、世界で進む高速鉄道建設計画を見る限り未知数だ。むしろ、当初ライバルと目していたカナダのBombardierやフランスのAlstom、ドイツの Siemens、原子力ではGE、フランスのArevaより、技術を供与された韓国や中国の企業にも脅かさ初めている。

もちろん、家電など耐久諸費財でもこの傾向はさらに顕著で、一部の製品分野では韓国のSamsungやLGに、PCは台湾のAcerやLenovoに、自動車は韓国の現代にという具合で、ライバルと目される中台韓企業の方が市場を圧倒している。

2011年、新たな有望市場と目されるモバイル・ブロードバンドおよびスマートフォン市場、HDTV市場でも韓国勢が先行し、日本企業が追い上げる構図は変わらない。

経済産業省が新たな産業分野として育成を試みるアニメやサブ・カルチャーなどのコンテンツ分野でも、成長の構図が見えてこない。もちろん、エネルギーや資源、食料等の分野で日本企業がリーダーシップを握る事など不可能としか思えない。

そうなると、日本人と日本企業はどの分野で2011年に始まる「2100年代」はお先真っ暗という結論になりそうだが、僕はそこまで日本が落ちることはな いと考えている。確かに、アジアの人々は教育レベルも向上し、勤勉さも向上したが、まだまだ、日本人の優秀さには届かないと感じる。問題は、いまだ旧来の 縄張りとか秩序に頼る経営者であり、業界指導という錦の御旗を掲げる官僚だ。

この部分が近代化されたら、さまざまな分野で日本は競争力を取り戻せると信じている。そのためには、日本航空が倒産したように、痛みは伴うが、従来の企業文化を根底から覆すような大きなショックが幾つも起こる必要があるのかもしれない。(ITmedia)

2008年秋に例のリーマンショックが発生、専門家は口々に「この不況は全治3年」と云ってたが、2011年はその3年目。現時点で、「来年の今頃、景気が完治するだろうか」と思ってる人は少ないのでは?欧米が完治するのはわかるが、日本の様な外需頼みだけの国が12ヶ月後に、リーマンショック以前の数値に景気を戻せるかと、今訊かれたら、「イエス」って云える人は少ないと思うね。それくらい根が深いのよ、今回の不況は。それとここで何度も書いてるが、「少子高齢化」「人口減少」「デフレ」「給与横這い」「会社多過ぎ」等など、ネガティブ要因が、日本ならではの問題が少なくない。俺の予想は恐らくだけど、このままズルズル行っちまうと思うね。とにかく日本は一度、更地にしないとダメかもよ.....。



UKTV Watch Idents from James Hatt on Vimeo.

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